2011年05月04日
使用禁止
遊楽館の建物の周りは散歩コースになっています。
外のトイレは2ヶ所あり、大きな流しがついています。
左方向のトイレの前には、常に関係者が立っていて、
右方向のトイレの流しの蛇口は外されています。
どちらも使用禁止です。
左方向の蛇口をひねってみたら、普通に水が出ました。
右方向の蛇口が外されている理由を問うたら、
被災者に使わせないため、と教えられました。
被災者は、体育館以外のスペースは立ち入り禁止です。
体育館のトイレは狭いです。
男子用は個室が1つです。
多いときで、60名ほどの男性がいました。
被災者が、唯一、使用できる水道はトイレの洗面台です。
手を洗うために作られたサイズなので、
ここで顔を洗うと、床がびしょびしょになってしまいます。
被災者は、汚したら悪いから、顔はウェットティッシュで拭いています、とのこと。
スタッフ用のトイレは、女性用が10の個室と大きな洗面台4。
調理師免許を持った被災者がお手伝いさせてくださいと申し出てくれました。
調理室は被災者立ち入り禁止のためお断りしました。
小高い丘の上に立つ遊楽館からコンビニまでは
若い人の足で30分以上かかるため
車を持たない被災者は、本でも読めれば気が紛れる、と言います。
図書室も被災者立ち入り禁止です。
パソコンルームもあり、スタッフは使用していますが被災者は立ち入り禁止です。
ドコモ以外の携帯電波が非常に悪いため
パソコンが使えれば仕事を探せるし、地方の友人と連絡も取れるのに・・・と被災者は言っていました。
4/26から遊楽館は福祉避難所になりました。
身体の介護度が高い方とその家族だけです。
認知症の方は精神病院へ、
介護する家族がいない、杖で歩ける程度の高齢者は、
丘を下ったところにある小学校へ引っ越していきました。
それにともない、体育館に1つあったシャワー室が、障害者専用となり、
付き添いの家族は、自衛隊風呂の送迎を待つのみとなりました。
遊楽館にはカフェラウンジのようなオープンスペースがたくさんあります。
あそこで、付き添い家族が情報交換できたらいいんだけど、と被災者が言いました。
年老いた家族のいる空間で、生活の不安やお金のことなど、絶対話せないそうです。
津波に巻き込まれ、家族を失い、家を流され、身体も悪くし、それでも生きようと頑張っている高齢者に、
これ以上心配をかけたくないと、複数の付き添い家族が言っていました。
ボラン
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